彼女との出会いも、ごく当たり前のことだった。
 
夕と俺は、隠し事をしない仲だった。
むしろ、お互いに何かあると、自然と分かってしまった。
双子の不思議とでもいうのだろうか。
だから、夕に彼女ができたことも、勘で何となく紹介される前に分かっていた。
 
勘付いたときから、そんなに日にちが経たない内に、紹介された。
 
 
 
あれは、高校三年生の夏。
帰宅部の俺が、珍しく先生から頼まれた用事で遅くなった日のこと。