起きてみると娘はいなかった。





「やはりな…。」
ぽつりとつぶやくと外から娘が入って来た。娘は黙って椀に入ったスープをさしだした。





私は知らぬまに受け取りスープを飲んでいた。
薬草の良い香りがした。
娘は座っている。






「何故逃げない?」






はっとした顔をナミはした。
「帰るところがないんです…。私はもう主様のものですから。」