なにもかも最低で、 いいのは本当に顔ぐらい。 だけど、 たまらなく好き。 「なのに悟は… 悟には絶対、勝てないもん」 そんなことないよ。 って言いたかったけど、 なにも言わずにうつむいた。 「小学校のときの徒競走も、 中学の部活も、 高校ではテストも。 全部、悟の勝ち。 そんで茉莉子まで…。」 呟く声があまりに切なげで言葉を失う。 「好き?悟のこと」 小さく頷いた。 好きだよ、たまらなく。