「あ、雨?」 しばらく歩いていると どんより曇った空がついに泣き出した。 私、もしかしたら雨女かも。 「映画館もうちょっとだから平気かな…?」 手を引かれるまま歩いていく。 「茉莉子、走れる?」 私が頷くと同時に駆け足になった唯くん。 繋いだ手は、そのままだから 私も自然と走りだした。 「ふぅ、本降りになる前についてよかったぁ。」 キラキラ笑う唯くんに私も笑顔を返す。