ヴゥンッ、

魔方陣が現れた。


「はぁ、はぁ、魔方陣が現れたってことは次の一撃でお前は必ず死ぬ。


何か言い残すことは?」



『あるはずがない。


また、再び復活し、次こそは私の天下を…


部下の鬼どもと、燃え盛る京の都を見ながら飲んだあの酒のように…


また、宴を開きたいものだ…』


「再び復活?


それは無理だ。

俺が仕留め損なうことなどないからな。」


『安綱という刀を持ったあの男…

酒を飲ませ、寝首をかいた頼光などよりも、

堂々と挑んだ貴様の方が私を真に倒すとはな…

貴様の名は?』


「雑魚には名乗んないんだが…酒呑童子、お前は強いからな。


幸大。

それが俺の名だ。」

『その名、不変の力を持った真名か。』

「ああ。」


『さぁ、殺せ。』


「ああ。

終わりだ、酒呑童子。


ディタボロス・ディレオ・アンブロシウス・ラストロ・フェリオ《悪魔の破壊と神々の浄化》

ハァッ!」



ドォンッ、


大きな衝撃音。


幸大の右の拳が魔方陣ごと酒呑童子を殴る。

『次に復活する時は貴様のような魔法使いがいないことを願おう。』


バチッ、バチチッ、

魔方陣が酒呑童子をさらに強く押さえつける。


「魔法使いじゃない。

マギア・ベラトーラ《魔法の戦士》だ。

スサインド《滅却》」



ドゴォンッ、


魔方陣ごと酒呑童子が爆発した。