ついでに、オレの名前は紅 亜稀羅<ウレナイ アキラ>
ドコにでもいそうな高校生。

いつもクラスのイジラレ役。
って言っても決まってリュウがイジってくる。



『そう言えば、お前ってまたオレと一緒のクラスだよなぁ?』

リュウが嬉しそうに言う。

『あぁ。2年A組!!良かったよ!リュウがいて。1年の時のクラスのヤツ少ねぇからさ。』

『またイジってもらえるから嬉しいだろぅ?』

出たよ、いつものこの絡み。

仕返しに
『お前も、大好きなユイと一緒で嬉しいんじゃね~の?』

少し大きめの声で言う。

『バカッ!!!誰かに聞こえたらどうすんだ!』

そういってリュウは頬を赤らめた。


勝った!
いつもイジってくるリュウに勝った。


そんなことを話していると、急に不思議な感じがした。


ふと横を見ると、見たことない女の子が。

腰まで伸びた長い髪に、雪のように白い肌、桜色の頬、くっきりとした二重にクリッとした目。

なんとなく鼓動が高鳴った気がした。

胸元には、“2年…”と書いた名札が付いていた。
クラスと名前までは良く見えなかった。

ドキドキを隠しながら

『オイ、リュウ。あんな子ウチの学年にいたか?』

と、リュウに聞いてみる。

『どの子だよ!…ん~、見たことねぇなぁ。』

その子の後ろ姿を目で追っかける。


そうこうしているうちに、学校の校門まで着いた。