俺には秘密がある。



誰にも言えない秘密。

うん?
もちろん親にだって秘密なんだ。

当然、彼女にだって言えるわけないだろ。


「鍋島センセー!!危なーい!!!!」

呼ばれて振り返ると、テニスボールが俺めがけて飛んできた。

俺は素晴らしい反射神経・生まれつき持っていた運動神経を駆使して

なおかつ、最大の秘密を守りつつ

ボールも間一髪のところで避けた。

「誰だぁ!?危ねーなーテニス部か?!」

「センセーゴメン!!」

犯人らしい男子生徒が慌てて走ってきた。

「国枝、お前か…」

「悪ぃっ!ちょっと力入っちゃって」

「気をつけろー!ボールはそっちにいったぞ?」

「はーい」

国枝に続いて何人かの男子生徒がやってきた。

俺はそいつらを横目で見ながら、陸上部の奴らを見に行こうとした時

男子生徒達が話している事がチラリと聞こえてきた。


「…な…言った通りだったろ?」

「ああ…マジで驚いたもん」

「国枝ん家の姉ちゃんが言ってた通りじゃんよ…」


ドキッ…


もしかして…俺の事話してんのか!?

もしかして秘密はバレてんのか?!




俺の最大の秘密


俺は…カツラなんだ…