「はぁ!?家族って…もしかして不倫?!」

「不倫までいってないよぉー!」

「ちょっとぉ!そんなつまんない事やめなよね」

「結果的には付き合ってないんだからいいじゃん!」

お?反論する元気はあるのね?

「って言うかさー朋花の性格じゃ不倫なんて向いてないって」

「そんなの関係なくない?だってメチャメチャ好きになっちゃったんだもん」

「それは仕方ないとしてもよ?家庭ある人じゃ余計ダメだよ」

「まり奈には分かんないんだよ!牧野さん凄くいい人なんだから!」

「何の理由にもなってないじゃないの。とにかく…フリーの男探しなって」

「嫌だぁー…牧野さぁーん!」

そう言って朋花はまた泣き出した。

これもいつもの事。

私は泣いてる朋花をほっといてドリンクバーとケーキを二人分注文して、二人分の飲み物を注いできた。

「はい、ココア」

「またココア~?」

「落ち着くでしょ?」

「落ち着いてるもん」

へぇ、どうだか?

でも朋花は黙ってココアを飲んで息を吐いた。

いつも泣きたいだけだって事は知っていた。話しを聞いてほしいだけなのも知っていた。

それで彼女はいつも失恋を乗り越えていたから。