まただ。
僕には、何故か女の子が集まる。僕を見て、キャーキャーワァーワァー騒ぎ出す。
もちろん男友達もたくさんいる。でも、女友達の方が多いのかもしれない。
ただそれを、幸せに思うか、不幸に思うか。
それは、人の自由だと僕は思う。でも、世間で言うと、僕は幸せ者らしい。
僕的には、そこまで幸せじゃない。
だって、どこにいるにも、誰か付いてきて。
何をするにも、興味を持たれて。贅沢かもしれないけど、ぶっちゃけすげー迷惑。
あと、僕にはいつも見ている女の子がいる。

‘星華院 桜’。

小学校も、クラスも。
桜は、小学校6年生の時、引っ越して来たから、3年間、ずっと一緒なのに、喋ったことがない。
同い年の女の子。
なんかいつも寂しそうで。
でも、どこか力強そうで。
だけど、何故か人っ気1つない場所で、涙を流す。
とても澄んでいる涙を。
僕。櫻宮 星夜は、先生にも、友達にも、親にも、親戚にも。
みんなに、「太陽みたいな人」と言われる。
でも、いつも自分の席で、1人で何かをしている。
多分友達もいないであろう、星華院さんはきっと・・・・・。
「月」。
重なることのないこの2つの者達。
僕達はまるで、「月と太陽」のようだった。
月食や日食の起こる、50年~100年に1度の奇跡。
僕達は、これから。
思いもよらぬ、人生を送ることになるだろう。