「ねぇ、君」

振り向くとそこには髪の綺麗な同年代ぐらいの女の子がたっていた。

「…何」

友達だったかと頭の中で友達の顔を整理する。

真っ黒な瞳に切れ目で黒髪の綺麗な…

……駄目だ。
こんな気持ち悪い綺麗な奴なんて居ない。

「ふふふ、気持ち悪いは余計かな♪」

思っていた事を指摘されぴくりと眉を寄せる。

なんで……

「君さぁ、幽霊って信じるタイプ?」

「…見えないものは信じない」

「うんうん、私も。良いねぇハッキリしてて」

最初いたは場所から移動し謙一に近づく。

「私、幽霊とか嫌いだもの」
優しく頬に触れる。


「へぇ、あんた自分の事が嫌いなんだ」


女は触れていた手をぴくりと反応させた。

「………なんだぁ、気づいてたのか」


薄々気づいていた。
見た事のない制服にこんな真夏にマフラー。

最初はおかしい奴としか見ていなかったが、近づき触れた手が驚くほど冷たかったのだ。


「うん、名推理だね♪」




 また人の心読みやがった。



謙一は、"見"える側の人間なのだ。