かと思うと、壁際の光景がゆらいだ。

そこに、白い服を着た、人物がボンヤリと姿を現わせた。

ソファと、そこに腰掛けている人の姿。

見てる間に、その輪郭はクッキリとしていく。

人は、長くて真っ白な、艶やかな髪。

それに、整った、顔。

でも、カタチだけ整っているだけで、きれいだなって感じがしない。

何となく、ドライフラワーを思わせる。

その不思議な感じに、思わず見入ってしまう。

彼、ははっきりとその姿を見せると、立ち上がった。