花火が終わった。
いつの間にか、キミの姿が人混みに紛れて見えなくなった。
最後の花火。
俺はキミだけを見ていた。
「壮太、誰かに声かけて一緒に遊ばない?」
部員達は、かわいい女の子を探して、騒いでいた。
かわいい子がたくさんいても、俺には関係なかった。
当たり前だけど、
キミじゃないから。
「俺、疲れたからもう帰る。お前らも明日練習あんだから早く帰れよ」
タナケンや他の部員達が、壮太は相変わらず女に興味ねぇんだな、と言った。
そうだよ。
その通りだ。
俺は物心がついた時から、キミしか見えなかった。
優しくて、かわいくて、すぐにスネちゃうキミが大好きだったんだ。
「じゃ~な」
みんなと別れた俺は、約束の場所へと向かう。
金魚すくい。
花火が終わってもまだ店はやっていた。
でも、客はほとんどいなかった。

