心の中にはいつもキミがいた





「バスケ部も練習キツいんだろ?」


俺はまだキミと話がしたくて、急いで口を開いた。



「う~ん、暑いからね、体育館は。でもサッカー部よりはマシだよ」



「日差しはないけど、風がないから体育館も暑いだろうな」



と、どうでもいい話をする。




何を話そう。


何か、長く話せる話題は・・・・・・





「真木ってさ・・・・・・」



キミが口を開く。


うつむき気味に。



俺は、キミが下を向いている間に、じっとキミを見つめた。


キミの濡れた髪を見て、幼い頃一緒にプールへ行ったことを思い出したりして。





「どうして彼女作らないの?」



思いも寄らぬ質問に、俺はタオルで頭をぐしゃぐしゃにした。


どうしてって。


その理由をキミに言うことができれば、俺は一歩前に進めるんだけど。






「別に。興味ねぇし。サッカーだけでいいから」




心とは全然違う答えが口から出てしまう。


後悔してももう遅い。




「へ~、そうなんだ」



キミは、手を乗せていた机に腰掛けた。



座ったってことは、まだここにいてくれるってこと。




俺は、ニヤけそうになる顔をパンと叩いて、深呼吸をした。