「初めまして。篠宮誓と申します。お加減はいかがですか?」 ―――そのとき、私は初めて彼の名前を聞いた。 そしてどこかで聞いたことのあるような名前だとも思った。 …気のせいかな? 「篠宮さんか。ご心配をおかけしましたね。…真琴ちゃんの会社の方ですか?」 「はい。仕事上だけでなく、個人的にも親しくさせていただいています」 …は!? その言葉に、私は篠宮さんの隣で凍り付いた。