あたしは幸せ者だね。
…―――――――。
「龍二さん?どこ行くの」
あれから三週間あたしは
ずっと入院していて、
毎日誰かがお見舞いにきてくれていた。
そして今日やっと退院して
龍二さんとお家に帰る時、
あたしは気がついた。
この道はお家には
向かってない事に。
「…内緒。付くまで寝てろ」
そんな事言われても…
あたし今までずっと寝てたんですけど?
むしろ寝過ぎて今日
絶対夜寝れないくらいの勢いなんですけど?
なんてそんな事は言えないので、
「………」
あたしは黙って目的地まで
龍二さんを見ていた。

