ヤクザに愛された女 弐



「事情がありまして…」


なんてあたしが言うから龍二さんは
常に機嫌が悪くなって、


「今から行く」


と言った声は、
それはそれは恐ろしく低いお声だった。


それからもあたしは急いで
写真とかアルバムとか、
小さい頃の思い出を
カバンに詰め込み、
あたしは急いで外に出た。