「事情がありまして…」 なんてあたしが言うから龍二さんは 常に機嫌が悪くなって、 「今から行く」 と言った声は、 それはそれは恐ろしく低いお声だった。 それからもあたしは急いで 写真とかアルバムとか、 小さい頃の思い出を カバンに詰め込み、 あたしは急いで外に出た。