時はかわって、2限目・公民。

「…は、こうなるから…で合って…」

黒板に書かれたことを、ひたすらノートに写す。



"カサッ"

机のすみにおかれた、小さなメモ書き。

そこに書かれていたのは、"教科書見せて"の6文字。

隣を見ると、沖田くんがじっとこちらを見つめていた。



「あたしも見たいから、机、くっつけよ?」

「いいよ…ねぇ、名前は?」

「へ?」

「だから、名前。」

「さ、沙織…だよ」

「沙織、か。じゃあ沙織って呼ぶわ。」

「(笑)…沖田くん、だよね?」

「名字とか堅苦しいじゃん。涼夜でいいよ。沙織は部活入ってないの?」

「部活って言うか、男バスマネージャーだよ。」

「まじで(笑)俺、バスケ入ったんだけど(笑)」





その後も授業が終わるまで、ひたすら会話をして…

休み時間。