「いよいよ、ラストの撮影です」 普通のドラマだったら、1ヶ月前に撮影が始まる。 けれど、このドラマはセットの撮影ばっかりだったから、2ヶ月前に始まった。 当然、終わるのも早い。 「花恋ちゃん、撮影見ていくの?」 「私、一応…関係者だし?」 "関係者"という言葉が、セット内に響いたような気がして、優越感に浸った。 その時、 「花恋ちゃん!最後のピアノの指導を優星くんに」 「はい!」 私は、ピアノのある部屋に優星と2人きりになった。 .