「花恋ちゃんに、作曲を頼んだ理由分かる?」

なぜ、頼んだのか?

うーん…

「偶々、ピアノの指導に来てたから?」

沈黙が続く…

「ブッブー、残念。花恋ちゃんのピアノを弾く姿が格好良かったから」

「えぇー。そんなことないよ」

そんな、格好良かったなんて…嬉しいかも…

「でも、それは2番目の理由。1番目の理由聞きたい?」

「聞きたい!」

理由が2つもあるなんて、わたし幸せすぎる。

「じゃあ、言います」

優星くんは、1つ深く深呼吸をした。

それから一度目を閉じると、数秒経ってから目を開いた。

会議室に響き渡る、時計の秒針の音が一秒一秒長く感じた。



「俺…

花恋が気になるんだ」



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