会議室に戻ろうとする途中、流星くんに出会った。
「花恋ちゃん!!」
「どーしたの!?そんなに慌てて」
「いや、ちょっと聞きたいことがあって…」
私は確かめたかった。
「花恋ちゃん、大変なことになった」
バレーボールの応援ソングは、私が曲を書いたから、心配は無いとして…
もう一方の曲も、いずれそのうちも『買収』になるんじゃないかと思って…
私は走る。
流星くんも、わたしの一歩前を走る。
会議室のドアの向こうからは、優星くんと健人くんの怒鳴り声。
「何なんだよ!!」
「健人。今怒鳴ったって、何も始まらないだろ?
…こうなるのは、時間の問題だったんだ」
「優星は悔しくないのかよ!?昨日、CDの録音とPV撮影までしたんだぞ?」
やっぱり…遅かった。
嫌がらせだったのかな…?
「優星は知らないだろ」
「何をだよ!」
「この曲を書いたせいで、花恋は今日疲労で倒れた」
「え?」
「お前の判断が、みんなを振り回してるんだ」
私は迷惑をかけてしまったと、改めて思う。
こうなるなら、作曲なんて引き受けなきゃよかった。
3STARの笑顔が見たくて、引き受けたつもりだったのに…
「今後、花恋があっちの事務所に買収されたら、優星はどう責任取るんだ?」
私が…買収?
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