エレベーターの前に立っていたら、下に行ったはずのエレベーターは戻ってきて、ドアが開いた。
1人の男が、颯爽と歩いてくる。
「どけ、邪魔」
と言い放って去っていった。
「なによ…。感じ悪ッ…」
でも、どこかで見たことある人だと思った。
「花恋ちゃーん!!」
あ、優星くん…
「健人がエレベーター前に迷子がいたっていうから、花恋ちゃんかな?って思ってきてみた」
「健人?」
「30分前に来てくれてありがとう」
本当は1時間早く来たのに…
ってことは、30分も迷子だったってこと!?
これじゃあ、方向音痴確定だわ。
そして『後悔』
瑠花の言葉が、頭に過ぎった。
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