「私、結婚してよかった」
そう言った母の笑った顔は、何よりも美しかった。
私は一生、このことを忘れないと思う。
「お母さん…話してくれてありがとう」
少し照れくさかったけれど、"ありがとう"という一言が言いたくなった。
隣で微笑む優星。
私を大切な存在として育てて、見てくれる母。
私は、いろいろな人に支えられて生きている。
優星に言われたとおり、他人の過去も自分自身の過去も…変えることはできない。
だから"今"を悔いの無いように生きよう。
ただ、ひたすらと前向きに…
「ありがとうございました」
優星の心にも、母の言葉は響いただろう。
きっと…
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