帰りは、優星のマネージャーの車で送ってもらった。
「ご、ごめんなさい。私…優星に迷惑かけちゃった」
優星は、私の目を真っ直ぐ見て言った。
「他人の過去も自分の過去も、変えることはできないんだ」
大切にしなきゃいけないのは今、この瞬間なのに…
「花恋は花恋なんだよ?もっと、自分を大事にしなきゃ」
気が付けば、すでに家の前に到着していた。
「あ…制服…」
私は制服に着替えなければならないことを、すっかり忘れていた。
「もう、いいよ…そのままで」
優星は、そういって私の腕を引っ張る。
「ちょっと…優星」
この格好のまま家に帰れば、怒られることは目に見えて分かっていた。
「おかえりな…」
母は言葉を詰まらせた。
「こんにちは
お話があります」
空は私の心を映し出すかのように、泣き出した。
.
