「翔さん…」
「分かってるよ!そんなこと!!」
こんなに苦しんでいる翔さんを初めて見た。
「晴香が死んだのは、俺のせいなんだから…」
やはり、あの空…雨が降り出した。
「頭では分かっていても…心がついて行かねぇんだよ!!」
雨は、より激しくなり駅に雨音が響く。
「一つだけ…一つだけお願いがある」
私は黙って頷いた。
「1日だけ…橋本晴香として、最後のデートをしてくれないか?」
私にしかできない…?
「…わかりました」
翔さんが幸せになってくれれば、それでいい。
それから、服を買ってもらって、美容院で普段しない派手なメイクをしてもらった。
これは私じゃない…
優星のことを想うと、心が苦しくなる。
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