余計なお世話なのは、自分でもよく分かってる。
秒針はただ、テンポよく時を刻む。
こうして迷っている間にも一分一秒と時は過ぎ去ってゆく。
「翔さん、今から会えませんか?」
気が付けば、電話をかけていた。
「俺もちょうど、渡したいものがあったんだ。だからこの間、待ち合わせしたところで待ってる」
私は学校を抜け出して、この間の人の少ない駅に無我夢中で向かった。
ふと気が付けば、空は黒い雲で覆われていた。
「あ…傘持ってない」
ようやく、あの駅に着いた。
すでに、翔さんは待っていた。
「ごめんね、花恋ちゃん…怒ってる?」
「え…?」
「蓮兄ちゃんに喋ったこと」
蓮兄ちゃん…?
「新垣蓮。爽太の兄で、花恋ちゃんの担任」
爽太くんのお兄さんが、私の担任の新垣先生…?
えぇ!?
気づかなかった…
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