「なんで…先生が…?」
なぜ先生が私の生徒手帳を持っているのか、いくら考えたって答えなんて出てこなかった。
「金城、話は全部聞いた…藤永翔から」
え…翔さん…?
「翔さんを知ってるんですか?」
私は先生の口から、意外な人物の名前が出てきたことに驚いた。
「お願いだから、もう芸能界とは関わったりするな」
鋭い一言。
どうして、そんなに悲しい顔をしているの?
「金城には、ちゃんとした高校生活を送ってほしいから」
…ちゃんとした?
「それと、進路希望調査の紙。未定なのお前だけ」
生徒手帳の隣に差し出された、学校を休む前に提出した紙。
「お前、将来何がしたいの?」
私の将来…
「これ明後日までに再提出な?」
「…はい」
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