「いつ…」
「ん?」
「いつ…東京に帰ってきますか?」
昴さんは一瞬、困った顔をして
「知らない。自分で聞け」
と言った。
「ただ…優星が仕事以外で大阪に行くときは、落ち込んでいるときだから…」
こんな時、私と優星を繋ぐ携帯電話があったら…
「あ…あいつ、東京用と大阪用に携帯2つ持ってるよ」
「じゃあ…」
私は、番号を教えてくれると期待していた。
でも、現実はそう簡単に甘くない。
「教えないよ?個人情報だからね」
あっさりと断られた。
「優星は、東京と大阪の仕事の区別をつけたくて2つ持ってるんだから」
前にも、優星本人が言っていたような気がする。
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