「でもさ、一時間も無駄じゃん?」
私は無言で頷いた。
「だから俺、いつも待てないから思いっきり開けてやるんだ」
そう一言つぶやいて、翔さんはドアに手をかけた。
そしてドアは、思いっきり開いた。
「きゃ〜!変態ーッ」
女子か!って…
「大丈夫ですよ。昴先輩の部屋、俺より片付いてますから」
部屋に入ると…
なんて言うのかな?
"家具がない部屋"
って言う名前を付けたくなるくらい、殺風景。
蒼井昴(アオイスバル)
翔さんの高校時代の先輩であり、事務所の先輩でもある。
「で?翔の彼女?」
「花恋ちゃんのことですか?優星の彼女」
私は何故、ここにいるのか?
「へー、花恋ちゃんって言うんだ」
「…あのー…優星は?」
「昴先輩。今日は優星の件できました」
目の前に出された、ミルクが多めのコーヒーからは、すごくいい匂いがする。
「優星は今日、朝早くに出掛けたっきり…買い物じゃないの?」
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