翔さんの優しい嘘。
「誰から?」
瑠花も翔さんも、わたしのために嘘を…
「輝さんです」
優しさに、涙が溢れた。
「あーぁ、バレちゃった。って、花恋ちゃん?」
翔さんの優しさに気が付き、自分の目から涙がこぼれていた。
あーぁ、また泣いちゃたな…私。
何も聞かず、黙って抱きしめてくれる翔さん…
「優星じゃなくて悪いけど、俺で良かったら?」
その優しさが、私の涙を誘う。
「昨日、本当は大丈夫じゃなかったんだろ?泣いてたじゃん」
私を名前を言う声に、何故かキュンとした。
ダメって分かってるのに…
私は翔さんを抱きしめ返してしまった。
「さぁ、そろそろ行くか!」
「はい…」
この時、私は何も知らなかった。
自分の身に、何が起こっているのかを…
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