そんなとき、私の心を慰めるかのように翔さんから電話がかかってきた。
「もしもし、花恋ちゃん?」
「翔さん…」
「どうした?優星も…」
え…?
「"優星も"って、どういう意味ですか?」
「あいつ今日の稽古、無断欠席だよ。電話しても繋がらないし…どうしたの?」
「実は、私も優星と連絡取れなくて…」
気が付けばまた、泣いていた。
「おぃ、泣いてんのか?」
「いぇ、大丈夫です」
本当は大丈夫なんかじゃない。
今すぐに優星の声が聞きたくて…
「…じゃあ明日、優星を探しに行く?」
明日は学校…
でも、瑠花が事を察したのか
「さぼっちゃえ。理由は、適当に言っといてあげるから…」
「でも…」
「そんなんじゃ、勉強だって身にならないよ?」
ありがとう、瑠花…
「はい。行きます」
明日、私と翔さんは、利用客が少ない電車の駅で待ち合わせすることにした。
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