「花恋。ごめんな」
そう小さく言った優星は、私の頭を下に押した。
私は、イスに座ったまま外見からは、うずくまっているように見えるだろう。
「こんにちは。優星くん…だっけ?」
「はい、はじめまして。本日はよろしくお願いします」
平然と振る舞う優星。
「優星くん、聞いたわ。3STARの新曲。
「あら?そちらは…」
多分、私のことだ…
「あぁ、マネージャーです。今ちょっと腹痛で…」
「大丈夫?」
私は顔を見せないよう、頷いた。
「では、失礼します」
ボブさんと母は、輝さんのところに行った。
「花恋のことだから、話してないんだろ?芸能界の仕事のこと」
「うん…ごめんね…」
「とりあえず今日は、この部屋出てすぐの会議室にいろ。後で、行くから」
「うん…ありがとう」
会議室は、練習をやっている
すぐ隣だから、声とか音が聞こえてくる。
「8・8countのところから、やって」
通訳をしている母の声…
母の声が聞こえてくるたびに、現実を思い知る。
もし、この部屋に誰かが出入りするようなことがあれば、確実にバレる。
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