「別に、私に話さなくてもいいんですよ?」
昔、お兄ちゃんから
"悩み事は1人で抱え込むな"
そう教えられた。
「ただ、誰かに相談してください。そしたら、心がスッキリしますよ?」
私も悩んでいる時、瑠花に話したら悩んでたことがバカらしくなったの。
「花恋ちゃん…じゃあ…」
輝さんは、やっと重い口を開いた。
「じゃあ、花恋ちゃんに相談していいかな…?」
「…はい」
私は輝さんの苦労も知らず、軽々しい気持ちで返事をしてしまった。
「俺、ミュージカルの座長としてやっていけるのかな…?」
それは、あまりにも大きい壁で、私にとっては、解決の光が見えない問題となった。
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