私は一秒でも早く優星に会いたくて、楽屋まで走った。
"関係者以外立ち入り禁止"
その書かれていた文字に一瞬、足が竦んだ。
けれど、事務所の人間なんだと自分に言い聞かせて通り過ぎる。
楽屋がある廊下は静かで、みんな帰ってしまったか心配になった。
"出演者控え室
五十嵐優星・森政大和"
中からは話し声が聞こえる。
「大和、楽屋散らかりすぎ。片付けて」
「はぁーい」
森政大和(モリマサヤマト)くんは中学2年生。
このミュージカルの最年少。
優星は先輩として、しっかりと後輩に指導していた。
私は、楽屋のドアをノックした。
「金城花恋です」
「はい、どうぞ」
中に入ると、大和くんは「誰?」という目で見てきた。
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