社長室のドアがいきなり開いた。

「ふざけんな、お前。橘友香の姉だろ?」

優星だった。

走ってきたみたいで、息切れしている。

「もしかして、菜々子のスリーサイズ聞いちゃった?大丈夫よ。花恋ちゃんより、胸あるから!ほらね?」

質問の答えになってないし、私の悪口言ってるし…

「は?ふざけるのも、いい加減にしろ!!」

優星が、こんなにキレてるのは初めて見た。

「怖ぁーい。優星くん」

「花恋は花恋なんだよ!!お前なんか、興味ねぇ。ふざけんな。また七海に頼まれたのか?」

「えー?うーん。菜々子は七海って人知らないし。3STARの曲、聞きたかったの…」

「花恋。コイツ、七海の事務所に所属してる女優。さっき、妹の橘友香に聞いてきた」

会ってきたんだ…

「橘友香の姉だから何?」

「次やったら、マジで警察行きだからな…。覚えとけよ」

「はーい。じゃあね、優星くんと……
ペッチャンコで壁女の花恋ちゃん?」

壁女…って…
さすがに傷ついたかも…

最後に、私の耳元で

「覚えておくのは、金城花恋の方よ?いいわね?」

その一言を言い放って、橘菜々子は帰って行った。



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