「そういえば、橘友香さんがね…」
「話しかけてきたの?」
「うん」
「花恋、あいつとは関わるな」
「私じゃなくて、優星が」
「俺が?」
「振り向かせてみせるって言ってた…大丈夫かな?」
「俺は、大丈夫」
優星がどこかに行ってしまいそうで、怖かった。
「それよりさ、せっかく2人きりなんだし」
変な予感…
「もっと、こっち来て」
私は素直に言うことを聞いた。
「ね?」
ん?
気が付くと、写メを撮られていた。
「待ち受け決定」
「優星のバカぁー」
私は優星の手を振り払って、逃げ出した。
テレビ局の廊下を歩く。
「おぃ花恋」
振り返ると優星ではなく、健人くんだった。
「仲直りはできた?」
仲直り?
「ケンカなんかしてないよ?」
「そっか。俺、優星に謝りに行かなきゃ」
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