「友香ね、優星に言われたの」

「何を?」

「『俺には大切な人がいるから、本当のキスはできない』って」

優星…

スタッフさんの計らい?

「友香、絶対に優星を振り向かせてやるんだから」

同じ高校生とは思えないレベルの低さ。

「曲だって、友香も書けるもん」

「そうですか…」

優星のことで頭がいっぱいだった私は、橘友香の言葉を適当に流した。

「七海社長が言う通りね」

七海コーポレーション!?

「何言っても、自分の考えを変えないって」

私は、七海社長みたいな人が大嫌いだ。

何でもお金で解決しようとする。

作詞と作曲、音楽の著作権とか平気で買収するし。

嫌がらせ?

「じゃあ、その七海社長に言っといて?私は嫌がらせする人が大嫌いだから、もう3STARに嫌がらせは止めろってね」

私は強気。

だって、こんなの不公平だよ…

「それは無理ね」

「は?」

「七海社長は何でもお金で解決するの。優星を譲ってくれたら言ってもいいわ」

ムカついた…



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