その場を立ち去ろうとしたとき
「どこ行くんだよ!」
健人くんに話し掛けられた。
「外に…空気を吸いに行ってくる…」
空は綺麗だ。
私が泣いていても、雲が流れていくだけ。
私が悲しくても、表情一つ変えない。
「おい、優星は仕事だそ?」
健人くんは冷えた缶ジュースをくれた。
「わかってる…」
「じゃあ、泣くなよ」
先に健人くんに出会って、その優しさに触れていたら、私は健人くんとつき合ってたかもしれない。
でも、今好きなのは優星なの。
この気持ちは変えられない。
「俺はいつも笑顔で、いつも前向きな花恋が好きだな?」
「……」
弱ってるときに、こういうは反則だよ…
「我慢すんな」
健人くんは優しく慰めてくれた。
「とりあえず、落ち着け。それから考えればいいよ」
.
