健人くんは、私の腕を引っ張り、強引に唇にキスをした。
「ヤダ!」
これには、さすがにわたしも怒ったわけで…
「なにするのよ!」
「返事はメールにして。優星にするのか、それとも優星と別れて俺にするのか」
私は何も考えられずに立ち竦んだままだった。
私が迂闊だったから、こんなことになったんだ。
もっと早く気づいていれば、お互い苦しまずにいれたのに。
ごめんね?優星
ごめんね?健人くん
私は化粧室に行って、口を洗った。
こんなの、無かったことになるはずなんてないのに…
私はその場で泣いた。
「どうしたらいいの?」
もう、自分が分からない。
優星が好き。
でも、この気持ちで誰かを傷つけている…?
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