「お前、ちょっと来い!」
健人くんは強引に、私の腕を引っ張る。
「い…痛い…」
健人くんは我に返ったよいに
「ごめん」
と言った。
気が付けば健人くんに連れてこられて、別の部屋にいた。
どこ?
「この撮影が終わったら、たぶん花恋に会う機会が減ると思う」
そうだよね。
歌手と作曲は直接会うことはない。
優星とは会うかもだけど、健人くんと流星くんに次会えるのはいつなのか分からない。
「でも、会いに行くよ!」
「これ…」
健人くんが差し出してきたのは、メアドと携帯の番号。
「ありがとう。メールするね?」
「あぁ」
私が戻ろうとしたとき、健人くんに腕を掴まれた。
「待て」
.
