俯いて黙りコクった私に風間が気遣わしげに声をかける。 「真琴様大丈夫ですか?」 「大丈夫です。少しひとりにしてください。ひどく疲れました」 そうして風間さんを部屋から追い出し、ベッドにもたれかかる。 高級なのかもしれない。 初めて感じる柔らかさだ。 その柔らかさに身を委ねる。 不思議と涙は出なかった。 悲しいとも思わなかった。 結婚したときに、全てを心のどこかで、諦めていたからか。 何も感じなかった。 ただ…。 心にポッカリと穴が空いたような気がした。