なんとなくレトロっぽいその徳利を彼のほうへと向けお酌する。 「どうぞ?」 「アリガトウ、 ほな、納野さんも」 そう言って彼はアタシから徳利を受け取り今度はアタシにお酌する。 そして一口。 「あ、美味しい」 「そう? それでこの蛸の甘露煮を食べるともっと美味しい」 彼が先にお皿に載っている甘露煮に手を出す。 「…あ、ごめん」 陶原くんはそう言って口に運ぶことができなかった甘露煮を名残惜しそうにお皿に戻す。