「それはよかった、 嬉しいなあ」 陶原くんは楽しそうに笑ってカウンター越しにお店のひとに声をかける。 「蛸の甘露煮と日本酒、 ください」 「はーい」 「関西ではおでんのこと関東煮って言うやろ? まあ、 最近はあんま言わんようになったけど」 彼は背広を脱いで空いている横の椅子にかける。 そんなに広くない店内でなんとなく昔の雰囲気。 でも まわりも明るくて美味しそうなにおいがアタシの食欲をくすぐる。 こういう店、 アタシ好きだ。