そしてアタシも慌てて答える。 「アタシ、 保全管理グループの納野 リエ。 陶原くんのことちょっとだけ知ってる。 時々フロアの全体朝礼で挨拶してたから」 「あ、そっか」 「やっぱりそういうの見てて同期でも男のひとっていろんな面で大変なんやなって思うわ」 「同期?」 「うん、違う?」 そう言ってあれ?と思う。 そうだ、 アタシが勝手に同期なんじゃないかって思い込んでただけだったんだ。 「うーん、でも俺、 多分、納野さんよりも1年先輩かも?」 そう言って彼は再びIDカードを見せる。