「あーそう? アタシてっきり恋する女になったんか思うて。 …それやったらその口紅返してや?」 音羽さんはアタシの持っていた袋に手を伸ばす。 「あかんって。 もらったもんは返せません!」 アタシは彼女に袋を取られまいと隠すように背中に手を回す。 「ほうほう、そうですか」 今度はカラダを乗り出して寄ってくる。 ちょ…っ。 彼女を避けた瞬間、 アタシの腕がカバンに当たりハンカチやポーチが出てしまった。 「わっ…」 「あーごめん、 ごめん」 音羽さんは謝りながら散らばったものをアタシに渡す。