彼の胸にかかるIDカードを確かめる。 「陶原 ダイスケ」 ふーん…。 そんな名前か。 「すいません、 お金入れてしもたけど… お先にどうぞ?」 そう言って彼は一歩下がる。 「あ、大丈夫です。 まだどれにするか決めてなかったから…」 ここにきたら必ず生クリーム風味のやつって決めてたけどなんとなく申し訳なくて譲る。 「そうですか? ほな、遠慮なく」 そう言って彼はボタンを押す。 アタシが買おうとしてたのと同じやつ。