「それで…」
さっきの話を続ける陶原くんにアタシは顔をあげて話を聞き入る。
「俺が行けなくなってでもそれでもどうしても行きたいっていうから地図と店のカード渡して…。
で東京戻ってからいい店紹介してくれてありがとうって連絡あったから」
「陶原くんって行ったこともない店でもちゃんと美味しいとこわかるんやね?
すごいいいカンしてる」
「それ褒めてんの?
なんか動物がカンでうまいモン当ててる…
みたいな」
「あっ、
そんなつもりやなくて…」
焦るアタシに彼ははははと笑う。
やっぱり好きだなあ、
彼の笑顔。

