「あ、うん」 彼はカメラを見つめたまま答える。 「人間は撮らへんの?」 「人間は… 面倒やから」 「面倒?」 「なんていうか、 自然ちゃうやろ? 被写体に感情があるせいなのか、 どうも思ったような写真が撮りにくくて」 「ふーん…」 アタシそんなに深く考えて写真なんか撮ったことないからよくわかんないんだけど。 人間も風景も同じようにしか感じないなあ。 それでもきっと彼の撮る写真はきっとステキなものなんだろう、 そう思って言った。