「…なあ、 納野サン?」 アタシが夕方の休憩のとき食堂の隣の売店で大好きな味のキャラメルを買っていた時だった。 「あ、陶原くん。 休憩?」 「ちょっと眠気覚ましにガム買いにきたんや。 今日、残業になりそうな予感するしな」 「へー、 大変なんやね」 「そうやねん、せっかく今夜、 東京本社から来たひとをええ店連れて行ったろ、 思うたのにそれも没になりそうやねん」 ホントに残念そうに言う。