左から右に流すように ただアイツの声が流れるだけ。 できれば話しかけないでほしい。 波の綺麗な音が 台無しになるからね。 ずっとシカトする気でいたのに そうやって乗り越えようと思ったのに 「まじで俺のこと嫌いなんだ」 「――えっ!?」 一瞬にして、無駄になった。 ヤツの瞳にあたしが捕らえられ しまったと思った時にはもう遅かった。 「フッ…シカトしてんじゃなかった?」 むっかつく! 口角をあげてバカにしたように笑われ 顔に火がついたみたいに熱くなる。