次に発せられる言葉を予想することはそれほど難しいことではない。 しかしその予想が外れてくれれば……。 何てことない、ただの忘れ物の報告などであってほしい。 松本はあの日からそんな祈りばかりを捧げるようになっていた。 「先生に相談があって……」 やっと聞き取れるというほど、工藤は弱々しく言った。 「松本先生、お電話です。」 それをかき消すように、職員室の中に響く松本を呼ぶ声。 気づかれないように安堵のため息を漏らしながら、松本は工藤にまた後でね、と微笑みかけ席を立った。